2013/9/21 町田天満宮例大祭
国指定重要無形民俗文化財 十九世 山本頼信社中(東京都稲城市) 江戸の里神楽
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「八雲神詠」
いわゆるスサノオの大蛇退治。家元による解説が随時入ります。
八人娘の内七人を八頭の怪物 八岐大蛇に飲まれ、残された老夫婦 芦名槌と手名槌、櫛稲田姫が登場します。
最後の一人は何としてでも守らんとする為に一計を案じ、椰子折の酒を用意する。大蛇は酒の匂いに惹きつけられ姿を現します。酒を飲み干し寝入ったところを芦名槌は杖で討とうしますが、足がすくみうまくいきません。そこに現れた素戔嗚は大蛇の退治を約束します。武勇に優れた素戔嗚に大蛇は敵わず伏してしまいます。大蛇にとどめをさそうと尾に刀をたてると尾から一本の見事な剣が現れます。これが後の天叢雲の剣、またの名を草薙の剣となります。素戔嗚は櫛稲田姫を嫁にとり、芦名鎚は杖を忘れて嬉しき舞を舞いまして幕を閉じます。

神話に沿えば川上から下る素戔嗚が哀しむ芦名鎚に訳を尋ね、大蛇退治を引き受け酒を用意させますが、里神楽の多くは自主的に芦名槌が用意し、大蛇に打ってかかろうとする所に素戔嗚が現れます。
この前には素戔嗚が高天原を追放される「神逐蓑笠」があり、「八雲神詠」のあとには「剣玉誓い」(剣玉の誓い)で天照大神に天叢雲の剣を献上し、和合して一連の演目が終わります。

山本社中さんでは他の社中さんと異なり「肥の川上の段」と呼ばれる特殊な前段があり、二人残った娘から始まります。一人をさらわれ残すは一人ばかりと嘆き悲しむ所にスサノオが駆けつけます。今回の「大蛇退治の段」はその後段となります。

「山神」
終幕の舞台祓い。神楽を舞った舞台と道具を清め祓う舞。